大手ゼネコンの倒産は準大手・地方ゼネコンに波及するか

 1990年代に倒産した、東海興業、多田建設などの大手ゼネコンが地方にあったら簡単に倒産しなかったといわれています。

 

公共工事と地域経済が連動し、地方の有力企業が多い地方ゼネコンの危機は地方議会を混乱させるほどのインパクトを持ちます。

 

和歌山の紀陽銀行絡みで危機説が流れた浅川組や群馬から首都圏に営業基盤を広げた民間建築中心の井上工業、東海興業と同じく北海道拓殖銀行がメインだったことから経営が不安視された地崎工業、背任容疑でメインバンクの北國銀行頭取が逮捕された真柄建設などは、和歌山、群馬、北海道、北陸三県では重要な中核企業です。

 

特定の地方で強力な経営基盤を持ち「ドン」として君臨するオーケー家は、自民党にとって頼もしい選挙母体であり、地元ではマスコミや世論がこうした癒着関係に甘いです。

 

公共工事には地域間格差という隔たりがありますが、公共投資額を都道府県ごとに比較すると、その額が最も高い島根県と最も低い埼玉県との間にはなんと2.5倍もの開きがあります。

 

この理由は、地方では地域経済における公共事業への依存が高く、そういう地域から選出される県議や市町村議は、土建業者かその親類縁者が圧倒的に多いからです。

 

国政レベルの選挙で、彼等はゼネコン関係者と一緒になって集票マシンと化します。

現在の小選挙区制度では、全国規模のゼネコンより、地方の有力ゼネコンの方が選挙区が小さい分、大声で「ゼネコン振興」を主張できます。

「土建国家日本」の面目躍如です。